2010年05月07日

『プレシャス』




※ストーリーはココで(シネマトゥデイ)


原作はサファイアの「Push」。
どこかで聞いた覚えが?と思ったらたしか昔山田詠美さんがオススメ!との事で雑誌ダ・ヴィンチか何かで紹介していた本でした。

両親からの虐待を受けているプレシャス。
底辺の荒んだ生活をしている彼女は空想の世界でだけ夢を見る事ができる。
すごくシリアスな環境が描かれているのだけれど、彼女の空想の世界がポップな感じで演出されていて少しだけホッとするんですねー。

2度目の妊娠が学校に知れてしまい、退学となったプレシャスはフリースクールに入学して、彼女に対して親身になってくれる先生や個性的なクラスメート達と出会って将来に対して希望を見出してゆく。

父親からのレイプといった肉体的虐待もダメージだけれど、何より母親からの人格を全否定される言葉の暴力。
たった16歳の少女の未来への希望を打ちのめすひどさがつらすぎると感じました。

フリースクールに入学したばかりのプレシャスは母親から罵り言葉ばかり投げかけられていた為に自信を失っていたけれど、少しずつ勉強して知識を得てゆく事で自分に対して希望をもてる様に変わってゆく過程が感動的でした。

プレシャスはとても強い。
父親からの虐待の結果生まれたダウン症の上の子と新しく生まれた2人目の子も周囲の里子に出したら?という提案をはねのけて愛情を注いで自分で育てるときっぱりと決める。
自分が彼女の立場だったらそうできるか。
「これから高校に行って大学にも進んで」と将来に希望を持ってたくましく生きる覚悟を決めたプレシャスの強さ。


母親。
私はこの母親がとても興味深かったです。
生活保護を受けて楽に生きる事を選択した怠惰な女。
ラストで彼女がプレシャスに対する感情を吐露するシーンがあるのですが、彼女もプレシャスを生んだ時には人並みの母性はあったと分かるんですね。
自分の子を’宝物’の意味でプレシャスと名づけたと。
でもその直後にとんでもないパートナーがプレシャスを虐待した事で彼女はプレシャスを保護する母としての母性よりも女としての意識が勝ってしまった。
彼女のプレシャスに対する罵り言葉は女の嫉妬としか言えないですね。
プレシャスを自分のパートナーを奪った憎むべき女としかみておらず、叩きのめすひどい言葉をたった16歳の実の娘に吐く。

ダウン症の孫を世話しているおばあちゃんはやさしいけれど、怖くてプレシャスの母をいさめる事ができない。
このおばあちゃんがもう少し骨太な人だったらプレシャスはもう少しマシな環境だったのでは。

フリースクールの先生。
彼女自身もレズビアンというマイノリティ。
痛みが分かる人だから普通の先生と違って生徒に対して踏み込めるんじゃないかな。

ソーシャルワーカー役でマライア・キャリー、看護助手でレニー・クラヴィッツが出演してました。
特に彼らの演技に印象は残りませんでしたが、先生役のポーラ・パットンの美しさが印象的。↓

precious.jpg



長い旅も最初の一歩から、という言葉(だったと思う)、そしてその言葉通り少しずつ前進してゆくプレシャスを見て私も根性入れてがんばらねば!と思ったのでした。
posted by kk at 17:50| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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